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 落ちていた。

 どんどん、どんどん、落ちていた。

 まるで限り無い天から降り注ぐ、絶え間無い雨のように、

 僕は、落ちていた。

 上を向いているのか、下を向いているのか、

 垂直なのか、水平なのか、

 生きているのか、それとももう、死んでいるのか、

 そんな事すら分からないまま、僕は、ただ、落ちていた。

 終わりはあるのか、永遠なのか、

 次々と沸き立つ疑問だけが、虚しく宙へ消えていく。

 目はしっかりと開いているはずなのに、まるで閉じているかのように、

 何も映ることはない。

 分かるのはただ、落ちている、ということ。

 そう、きっと、夢の中、へ。

 落ちていく、落ちていく。 

 僕は、落ちていく。